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上棟
第二なでしここども園
基壇部を鉄筋コンクリート造として子供達が走り回るタフさを求め、その上部構造は軽快で柔らかな印象の木造を採用した。耐火建築物が要求されることから、当然ながら木造部も耐火仕様となる。つまり、柱、梁、壁は1時間の燃焼に耐える厚いプラスターボードにより被覆されるため、残念ながらこの複雑な架構は姿として現すことはできない。ただ一方、木造であることでより自由な屋根形状が可能となったことも事実である。
連なる梁とそれらによる面の傾斜、その先には南西方向より時計回りに、富士山、秩父連山、北に赤城山、日光男体山、そして東に筑波山。関東平野の真ん中では、ぐるりとと山並みを感じることができる。これはこの地域の子供達なら覚えておいてほしい貴重な景色。山々の稜線を屋根の形に写し取り、シンクロさせて園舎の記憶となる。そんなことを考えた。幼少期の微かな思い出の一端を紡ぐ仕掛け。
概要
所在地:埼玉県熊谷市
主要用途:幼保連携こども園
構造・規模:RC造一部木造 地上2階
敷地面積:4239.29㎡
建築面積:1123.52㎡
延床面積:1731.76㎡
撮影:傍島利浩
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